『艦隊これくしょん -艦これ- 陽炎、抜錨します! (ファミ通文庫)』:築地俊彦/NOCOのかんそーぶん
@ 『艦隊これくしょん-艦これ- 陽炎、抜錨します!』:築地俊彦/NOCO(ISBN9784047292666)。 ファミ通文庫12月の新刊。DMMで展開中のブラウザゲーム「艦隊これくしょん-艦これ-」の ノベライズ、ファミ通文庫からの第一弾。
- 辞令により、慣れ親しんだ呉鎮守府を離れ、 横須賀鎮守府へとやってきた駆逐艦陽炎型一番艦「陽炎」。 新たな環境への期待と不安に包まれながら、 横鎮の扉を叩いた彼女を待っていたのは、 爪弾き者の駆逐艦娘たちへの教導任務だった。 なれない教導と個性的でまるで言うことを聞かないメンバーに振り回されながらも、 一週間後に予定された特別駆逐艦演習での上位入賞へ向けて、 陽炎たち第十四駆逐隊の猛特訓が始まる。 はたして彼女らの行く手に待ち受けるものとは。
購入はしたものの積んでしまってたのを、 スニーカー版との方向性比較がしたくて積み崩し。
妖精さんや召喚などかなりファンタジー寄りの設定だったスニーカー版に比べると、 こちらは「ややリアル」寄りの印象。 鎮守府の設備や運営の様子もあくまでも軍隊、軍事基地の延長線上という描写ですね。 時代設定的にもスマートフォンなど「現代」を思わせる単語がちらほらと。
登場する主な艦娘は、 陽炎、曙、皐月、文月、霰、潮。その周囲を固める形で 愛宕、高雄、金剛四姉妹、不知火という面々。 お話は陽炎を中心にそれぞれの事情からバラバラだった 第十四駆逐隊の面々がぶつかり合いながらも、 成長、結束してゆくという王道のもの。 なので陽炎、曙、皐月、文月、霰、潮らの描写がメインになります。
皐月が脳筋だったり、曙が不良艦娘と呼ばれてもしくは積み木くずしだったり、 文月が病的な霰至上主義者だったり、 霰が非コミュだったりといろいろ「特徴的」な設定になってましたが、 その理由付けが物語の骨組みに組み込まれていたので、 納得感のあるお話にはなっていたと思います。
あとは愛宕さんが秘書艦として活躍するので愛宕さんファンも楽しめるかと。 ぱんぱかぱーんな胸部装甲もイラスト多めですしね。
艦娘たちの日常。特に演習の様子、 戦闘時の描写はかなり気合いを入れた描写になっているので、 そのあたりは世界観を掴む良い教材になっているかと。
ただ、個人的に作者さんの描写する「周囲の悪意」がずーっと苦手なのですが、 今回もそのあたりはいつもの通りでかなりゲンナリ。 特に今回は有象無象ではなくて、名も無き艦娘がその役を担っているので、 そこはどうにも受け付けませんでした。
とはいえ全体としては十分に楽しく、 読み応えのある内容でした。 特に陽炎のお気に入り度はかなり上がるハズです。 艦これファンなら読んで損はありません。 第二巻もすでに発売予定されているようなので楽しみに待ちたいと思います。
■関連情報 | |
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タイトル | 『艦隊これくしょん -艦これ- 陽炎、抜錨します! (ファミ通文庫)』 |
作者 | 築地俊彦/NOCO |
出版社 | エンターブレイン |
発売日 | 2013-11-30 |
区分 | 一般 |
カテゴリ | ライトノベル |
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Shinonome Azumi(yuunagi@maid.ne.jp)