A/D -ANIMATE DEAD- (マジキューコミックス)』:cloverのかんそーぶん

@ 『A/D-ANIMATE DEAD-』:clover(ISBN9784047287785)。 季刊amaroやファミ通コミッククリアなどにて発表された表題シリーズ+短編集。 とある大学のアニメーション研究会に所属するオタク系女子大生を中心とした 人間として駄目っぽいがオタクとしては超正しいけどやっぱり駄目な日常物語。

  • とある大学のアニメーション研究会に所属する女子大生・暎子。彼女の日常は愉快な友人や駄目な先輩達に囲まれた賑やかな、そして学生としてはかなり駄目っぽいもので…。アニメーション製作やオタク活動に情熱を燃やす人々のいろんな生き様…『A/D-ANIMATE DEAD-』全4話+番外編
  • クリスマスの夜を自室で一人寂しく過ごすOL清庭潜。そんな彼女の元にやってきたのはドイツから来たという「クリストキント」を名乗る幼子で…。孤独に沈んだOLと、おちこぼれ幼天使の奇妙な共同生活…『Gift Bringer』

作者さん初商業単行本。 同人サークル「ハイパーピンチ」さんと言った方が通りは良さそうですかね:D 同人誌は追ってるものの、それ以外の活動はあまり情報収集してなかったので、 書店で見かけて迷わずゲットという感じです。

表題作である「A/D-ANIMATE DEAD-」は、「げんしけん」的な大学オタサークルモノ。アニメーション製作を行うアニメーション研究会を舞台にした物語です。 メインの視点は暎子さんと、その悪友の故町さんという二人の女子大生さん。 その他、同級生さんたちや先輩達など、 男女揃って賑やかな日常を繰り広げています。

前書きなどを見るに作者さんの実体験を土台としたものなのでしょう、 大学生特有の無軌道感や、部活特有の空気などは極めて良く描かれており 自分自身の学生時代などが懐かしく思い出される感じでとても楽しく読めました。 まあ、孤独を愛する人なので、 ここまで連んでグダグダとという感はありませんでしたが(笑

舞台が「アニメーション研究会」というのもちょっと珍しい感じかなと。 セル作成やトレス、撮影、自主製作アニメ上映会などの様子もしっかり 描写されており、興味深かったです。漫研とかは馴染みあるんですけれどね。

舞台設定的には2000年頃とのことで、出てくるネタや社会風景はやや古いですが、 世代的に極めて近いので余計に共感度があがりましたね、個人的には。

読み切り短編の「Gift Bringer」はOLさんと幼天使の心温まる系の物語。 クリストキントというのはChristkind…つまり幼いキリストという意味で、 ドイツのプロテスタントを中心にした地域で クリスマスにプレゼントを持ってくる存在だそうで、サンタではありません。 そういえばTVとかで聞いたことあるなー的な日本人にはあまり馴染みの無い 存在ですね。本作で登場するクリストキントのクリスちゃんも ふわふわ髪の毛に大きな王冠に天使の翼を持った子供です。 そんな幼い天使さんと、ひと肌のぬくもりに飢えたOLさんの交流の様子が ほのぼのと描かれて、素直にいい話だなーという感じで頬の緩むお話でありました。

なお、エロ要素や恋愛要素は皆無ですのでそこはご留意ください。 お風呂シーンとシャワーシーンだけやたらに艶めかしいのは御愛嬌ですが:D__

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■関連情報
タイトル『A/D -ANIMATE DEAD- (マジキューコミックス)』
作者clover
出版社エンターブレイン
発売日2013-05-25
区分一般
カテゴリ漫画
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ページ執筆者:東雲あずみ

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Shinonome Azumi(yuunagi@maid.ne.jp)
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ここは東雲さんの崩壊日記改から「かんそーぶん」を切り出したページです。。 18歳以上対象の作品を取り合うことが 多々ありますので、その旨ご理解の上お読みください。
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