ガーデンI (TENMAコミックス)』:緑のルーペのかんそーぶん

@ 『ガーデンI』:緑のルーペ(ISBN9784863492981)。エロ漫画。COMIC天魔誌にて連載された表題シリーズの第一巻目。 雑誌掲載された第九話までと、描き下ろしの9.5話を収録。 少年が出会った都合のいい少女…だがそれは少年にとって転落の始まりだった。 属性的にはNTR、多人数、セフレ、近親相姦などなど。

「これは無尽の悪意の物語」

  • ある日、ネトゲのオフ会に出席した菅原幸太郎はそこで出会った無表情ながら可憐な少女に誘われ、肉体関係を結ぶ。 その後、少女「水上ひつじ」と学園で再会した菅原は、彼女とセフレとなり、爛れた日常へと溺れていく。 だが彼は気づいていなかった。彼を囲む世界が変容し始めていることに。 そしてその原因が彼女…ひつじにある事に。こうして寂しがり屋たちの歪な物語が始まる…『ガーデン』第1話〜第9.5話

初単行本「イマコシステム」で衝撃的なデビューを飾った作者さんのマーク付き2冊目、通算3冊目の単行本。 今回はまるっと表題の長編シリーズ「ガーデン」を収録した一冊となっています。

メインヒロインとなるのは「イマコシステム」でもちらっと登場した鼻血娘のひつじさん。 彼女と少年・菅原くんのコミカルながらも爛れた日常を主軸としつつ、 彼と関わりのあるふたりの女の子、 菅原に好意を寄せるクラスメートのあざみさん、 菅原の所属する放送部の眼鏡美女ヒール先輩(昼顔先輩) それぞれの「物語」が順次展開していく構成となっています。そうふたりの「転落」の物語が。

系統的にはNTRに分類されると思いますが、今回もやっぱり展開はやや変化球気味かな。 作中の少女たちと菅原くんは誰とも明確な恋人関係にはありませんが 少なくとも憎からず思っていた相手たちが、菅原くんの手の届かない場所で 次々と第三者の手によって絡め取られていきます。 結果として、菅原くんはセフレであるひつじさんへの依存を 増していくわけですが……まあここからは実際に読んでもらいたいかなと:D

見所になるのはモノローグで端的に示されるヒロインさんたちの心情描写でしょうか。 ヒロインさんたちが何を考えているのか、どのような気持ちでいるのかは逐一示されていくわけですが それはつまり、彼女達の気持ちがどのように「書き換えられていくか」を見せつけられるという意味も持ちます。 気の知れた存在だったはずの少女たちが、暴力的な性行為から始まる肉体関係に溺れ、身も心も丸裸にされた上で 半ば無理矢理に埋め合わされていく…。 そしてその状況に「納得」していく様がたっぷりのページ数を使って表現されており、まさに圧巻の一言。 特に「あざみ」さん編のねっとり具合はたまったもんじゃありません。 気弱な少女が3人の外国人青年たちによって 徹底的に書き換えられていく様子はエロくもありますが、同時にダメージ度合いも高いです。

エロシーン的な見所。ヒロインさんたちの身体は全体的にスレンダーで分かりやすい意味でのセックスアピールは控えめです。 扱い上は巨乳さんでも、昨今のエロ漫画的には無いに等しいレベルの小ぶりっぷり。 ではエロくないかと言うと、大変エロいのですね。特に表情が。とろっとろに蕩かされた快楽に咽ぶ表情や 男に対して気を許しきった笑顔。わななく唇から溢れ出す唾液。愛おしそうに男性器を這いずる舌先など ぐりぐりと脳内のエロ中枢を刺激してくれます。与えられた快楽の虜となり、淫らな台詞を繰り返す様子は 色々な意味でたまりません。

なお、物語の各所に仕掛けが施されており、 何気なくコメディ的に描写されていた内容が、後の描写を踏まえると全く違った意味合いを持つ部分が多々あります。 気づいた瞬間に、自分が読んできた物語の意味合いが一気に書き換わってしまう…そういう体験はそうそう出来ないので 大変面白いのです。 しかし、今回もそのへんが読者を突き落とす方向で仕掛けられているため、ダメージ度合いが半端ありません(苦笑

気に入ってるエピソードはやっぱり「あざみ」さん編かな。 好意を持つ相手のために変わりたい、そう願っただけのはずの少女が、悪意の果てに全く違う幸福を掴んでしまう様子が そりゃもう胃にキリキリときてたまりませんでしたよ。言葉による意思疎通すらままならない、 身体のサイズも違う3人の外国人たちに組み伏せられて、セックス漬けにされ性欲処理人形のように扱われる…それだけならまだ悲劇として 処理出来るんですが、本作の場合は悲劇ですら終わらせてくれません。違う「何か」を植え付けられて変容してしまうわけです。 その様子はまさに言葉に出来ないものでした。見方によってどのようにでも見える正解感のなさが凄くモヤモヤさせてくれます。 あざみさんがこれまた可愛いものだからダメージもさらにドンというorz

いやもう、収録ラストあたりの展開を読んでもう笑いが止まらなかったですよ、ひっでー話(注意:誉めてます)過ぎて。 特に、後半部分でのカラーページの使い方があまりにも酷すぎます(注意:誉めてます) 菅原君にとって「世界」に救いがなさ過ぎます。まさに悪意の物語の名に恥じませんよ。 物語全体としてもここからさらに堕ちていくことが間違いないため、 続刊が怖いというのが正直なところですが同時に楽しみでもあるのが困った所です。 読み手を選ぶ作品であることは間違いありませんが、読む価値はある作品だと思います。気になった方は覚悟の上でどうぞ。 ああ、菅原くんの行く先に願わくば明るい未来を……。

(Permalink)



■関連情報
タイトル『ガーデンI (TENMAコミックス)』
作者緑のルーペ
出版社茜新社
発売日2012-06-28
区分成年
カテゴリ漫画
Amazon
アフィリエイト
Amazonで購入


ページ執筆者:東雲あずみ

『緑のルーペ』に関連するDMM電子書籍(アフィリエイト) 検索結果

※リンククリックすると外部サイト(DMM)へ飛びます
[FANZAブックス] ガールズ・オン・ザ・ブルーフィルム【FANZA限定特典付き】
¥1320 (2019-10-28 00:03:56発売)
[FANZAブックス] COMIC アオハ 2019秋
¥1100 (2019-10-01 00:03:50発売)
[FANZAブックス] 父の愛人/16歳(単話)
¥330 (2019-10-01 00:01:57発売)
[FANZAブックス] 父の愛人/×××(単話)
¥330 (2019-04-01 00:01:53発売)
[FANZAブックス] COMIC LO 2018年12月号
¥896 (2018-11-12 00:03:58発売)
[FANZAブックス] COMIC LO 2018年8月号
¥896 (2018-07-12 00:03:58発売)
[FANZAブックス] 父の愛人 ××(単話)
¥330 (2018-07-12 00:01:50発売)
[FANZAブックス] COMIC saseco vol.3
¥896 (2017-12-29 00:03:50発売)
[FANZAブックス] マスコット・ホール(単話)
¥330 (2017-12-29 00:01:45発売)
[FANZAブックス] エンゲージリング(単話)
¥330 (2017-12-29 00:01:40発売)
[FANZAブックス] COMIC saseco vol.2
¥896 (2017-06-30 00:03:50発売)
[FANZAブックス] SWAMP STAMP(単話)
¥330 (2017-06-30 00:01:47発売)
[FANZAブックス] COMIC saseco vol.1
¥896 (2016-12-24 00:03:58発売)
[FANZAブックス] ガーデン【フルカラー】
¥440 (2015-02-06 09:59:50発売)
[FANZAブックス] ガーデン(単話)
¥330 (2012-07-05 09:59:25発売)
[FANZAブックス] アスペルガァ(単話)
¥330 (2010-03-05 09:58:56発売)
[FANZAブックス] カーテン(単話)
¥330 (2010-01-05 09:58:44発売)
アダルト電子コミック

Shinonome Azumi(yuunagi@maid.ne.jp)
About.
ここは東雲さんの崩壊日記改から「かんそーぶん」を切り出したページです。。 18歳以上対象の作品を取り合うことが 多々ありますので、その旨ご理解の上お読みください。
読書感想
かんそーぶんリスト


アダルト電子コミック