『僕は友達が少ない CONNECT (MF文庫J)』:平坂読/ブリキのかんそーぶん
@ 『僕は友達が少ないCONNECT』:平坂読/ブリキ(ISBN9784840143653)読了。 MF文庫J新刊。「はがない」シリーズ初の短編集。 数多の想いの積み重ねによって今の世界は出来ている。これはそんな繋がりの物語。
- 「タカ…」…三日月夜空の止まっていた時間は今、再び動き始めようとしていた。 「す、素敵な眼帯ですね!!」…柏崎天馬は金髪美女たちを前に珍しくテンパる悪友の様子を見守っていた。 「お姉ちゃんですよー」…柏崎家家令ステラ・レッドフィールドは如何にして誕生したか。 「理科、哺乳類に興味を持ったのは先輩が初めてです。」…天才がゆえの孤独に苛まれてきた志熊理科に訪れた転機。その裏側。 奇跡の存在、楠幸村。その生い立ち…etc. 羽瀬川小鷹以外の視点から描かれる数々の物語。それらは結びつき、連なり、今へと繋がってゆく…。
衝撃の展開だった8巻に続く新刊はナンバリングタイトルではなく、以前アライブ本誌で付録とされた小冊子「僕は友達が少ないconnect」に大幅に書き下ろしを加えた番外編となりました。 ですが、本編にとっても極めて重要な伏線回収が多数行われ、かつ9巻へ直接繋がる前振りとなっていますので、読み逃しの無いようにご注意を。
特徴としては、それぞれの短編がすべて小鷹以外の視点で描かれることでしょうか。これにより、これまでは明らかにされて来なかったそれぞれの内心の想いが明らかにされてゆき、ここまでの本編の見方に大きく影響するものになっています。小鷹視点では欠けていたピースがどんどんと嵌まってゆく感じが独特の快楽になっていて、読んでてニヤニヤしっぱなしでしたよ。
見所は本当に多いですが、やはり故人である羽瀬川母、アイリさんの様子が描かれたのは印象深いかなと。小鳩ちゃん本当にお母さん似だったのね。カバーイラストも学生時代のアイリさんとロリ小鳩ちゃんというあったかい…でも有り得なかったシーンで胸に来ます。 あとは理科さんの一人称が極めて印象的でした。腐った天才痴女の仮面の下で、彼女が何を思い、そして如何にしてあの爆発へ繋がったのか。切なく、そして切実な思いを知ることで、理科さんへの印象もまた違ったものになりますね。 最大の爆弾は…初めてフルネームが明かされるステラさんですかね。いやもう…。エロ水着の素晴らしい肢体も大変ご馳走さまでした。 ギャグキャラ扱いだった天馬さんもやー、なんというか見直しました。見事な度量の大きさが素敵ですね。
それにしてもこう…本当に踏んだり蹴ったりだな!!>夜空さん 最近本当に良いところ無しな状態なところに見事な追い討ちと、残念すぎる対応が、夜空スキー的に嬉しいような、悲しいような複雑な気分ですよ。さて、見事に復活してくれるんでしょうか?
なんにしろ次の9巻が楽しみなところです。
■関連情報 | |
タイトル | 『僕は友達が少ない CONNECT (MF文庫J)』 |
作者 | 平坂読/ブリキ |
出版社 | メディアファクトリー |
発売日 | 2012-12-21 |
区分 | 一般 |
カテゴリ | ライトノベル |
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