『バカとテストと召喚獣 (ファミ通文庫)』:井上堅二/葉賀ユイのかんそーぶん
@ 『バカとテストと召喚獣』:井上堅二/葉賀ユイ(ISBN9784757733299)。 ファミ通文庫2007年2月あたりの新刊。 ファミ通文庫第八回えんため大賞編集部特別賞受賞作品を改稿したもの。 愛すべきバカ野郎たちの繰り広げるドタバタ下克上大戦争… の内容はテストによる召喚獣戦?
試験校である文月学園では2年進級テストの結果によりAからFまでのクラス分けが行われる。 その結果、最上位のAクラスでは個人エアコンに個人冷蔵庫などなど まさに快適を絵に描いたような超豪華設備が提供されるが 最下層たるFクラスでは空調無し、腐りかけの畳にちゃぶ台…という惨状に 見舞われることになるのだ。 そんなFクラスの配属となった名実共にアホの<観察処分者>明久は、 とある理由からAクラスの実力を持ちながら Fクラス配属となってしまった憧れの少女・姫路瑞希のため、 クラス代表の悪友・雄二と結託し クラス対抗戦<試験召喚戦争>を利用して待遇改善を図ろうとする。 <試験召喚戦争>…それはテストの点数に応じたパワーを有する<召喚獣>を呼び出し 戦闘を行うという文月学園特有の制度だった。 勝てば上位のクラスと設備を奪えるが、負ければ補習と設備の悪化という危険な賭けに挑む 劣等生揃いのFクラスの面々の運命や如何に?
最新は5巻かな? 耳に入ってくる評判がとても良かったので手に取ってみた一冊。 いや、笑いっぱなしで大変楽しい読書時間を過ごさせていただきました。 まさに愛すべきバカ野郎どもが満載の一冊。 全編にわたって文化祭や体育祭などのお祭り状態の楽しさが詰まってる感じですかね。 <試召戦争>の仕組みはよく考えると結構複雑でイメージを描くのが結構難しい感じなのですが そのあたりはわりと軽めに流して書かれていて、 軽快なテンポで進むバカ一色の会話劇で押し流されちゃう感じですかね。 とはいえ、ルールが蔑ろにされているわけではなく、 随所で知謀深慮に基づいた策略戦が繰り広げられるのも楽しいところです。
あと特筆すべきはキャラクターの魅力でしょうね。 鈍感バカだけど真っ直ぐで良い奴な主人公・明久を中心に 昔神童今は…?な悪友・雄二、美少女美少年の秀吉、寡黙なムッツリ・ムッツリーニ、 元気印の暴力デレツン・美波ちゃん、そしてヒロインのふんわり美少女・姫路さんと それ以外のサブキャラ陣も含めてどの子も皆生き生きと青春を謳歌してる様が なんとも心地よいのですよ。 個人的に気に入ってるのはムッツリーニかな? 寡黙なキャラですが、ポイントポイントで大活躍してくれるので大笑いですよ。 得意科目は当然保健体育で、それを使っての大活躍っぷりというのがまた素敵でした。 こういうキャラってわりと嫌な感じで描写されがちなんですが、カラッと気持ちよい キャラクターになってるのがまた良いところかと。 もちろん、明久も雄二も気持ちの良い奴らなので好きですけどね。 まあ、雄二君にはいろいろ殺意が沸く気もしますが。
ヒロイン陣もなかなか強力。定番っちゃ定番揃いなんですが 作品そのものにパワーがあると引っ張り上げられますね。 ポニっ娘ということもあって美波ちゃん一押しですが、秀吉きゅんも捨てがたいですね。 ……ナニモマチガッテナイヨ?
デビュー作ということもあり、細かいアラ的な部分はやはりありますが そういう部分を軽々と吹き飛ばせるパワーに溢れた一冊でした。 続刊も引き続き追いかけていきたいと思います:D
それにしても幕間のバカテストコーナーが素敵だなぁ。 誰主導でのコーナーかはわかりませんが、慧眼と言えましょう。
■関連情報 | |
タイトル | 『バカとテストと召喚獣 (ファミ通文庫)』 |
作者 | 井上堅二/葉賀ユイ |
出版社 | エンターブレイン |
発売日 | 2007-01-29 |
区分 | 一般 |
カテゴリ | ライトノベル |
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Shinonome Azumi(yuunagi@maid.ne.jp)