ももそら (ジャンプコミックスデラックス)』:イトカツのかんそーぶん

@ 『ももそら』:イトカツ(ISBN9784088587745)。スーパージャンプ連載。 高原の田舎町で繰り広げられる、ふんわりあったかハートフルコメディ。単巻完結です。

仕事の関係で離れて暮らしていた父が他界した。再婚したばかりの後妻さんと私たち姉弟を残して。 そして私、中学生の野々原日鞠と小学生の弟・恒太は、父が愛し、生涯を終えた高原の田舎町で 継母であるモモさんと一緒に暮らすこととなった。 小学生の恒太よりも背の低い、ふわふわとしたフランス人形のような「新しいお母さん」と。 住み慣れた都会とはかけ離れた慣れない田舎暮らし、そして他人同然の関係しか築けていない 継母との日々。不安だらけの中で始まった新生活の行く末は…。

連載開始時にたまたま掲載誌を立ち読みして気になった作品。 その後もちょくちょくと読みつつ単行本化は楽しみにしていたのですが、 スーパージャンプとビジネスジャンプの合併などあってか、単巻での完結となっており、残念無念。 でも癒し系のあったかい物語なので、今後も見据えつつご紹介。

お話としては、ちびっこお義母さんと子供たちが、 自然に溢れる田舎町での生活の中で次第に本当の家族としての関係を築いていくというもの。 都会っ子らしくどこか醒めた部分のあるひまりちゃんは、当初モモさんに対して 反抗まではいかないまでも、一線を引いた形で付き合って行こうとしますが、 ちんまい身体で、でも母親として精一杯の努力を続けるモモさんの姿に触れて その心の垣根を取り除いていく様が優しく優しく描かれています。

モモさんは高原の美幼女お嬢様!!という表現がばっちりと来るような立派な成人女性です。 凹凸感の無いちびっこボディを清楚な感じのワンピースで包み込み ゆったりウェーブなロングヘアという、まさにお嬢様感の塊と言えましょう。 でも人妻でかつ未亡人というこの凶悪な取り合わせに、属性持ちの私が掴まれないわけがありません。 性格の方も、どこかふんわりとした優しい人ではありますが、 一方でちょっぴり頑固なところがあったり、うっかり者だったり、意外と不器用だったりと 愛されるべくして愛される人ってな感じですかね。 そんな彼女が、愛する夫の忘れ形見である姉弟の母親となるために静かに奮闘する様子は 微笑ましくもあり、でも一抹のもの悲しさもあったりで保護欲をそそられること請け合いです。 こんな人に捨てられた仔犬みたいな顔でじーっと待たれたりとかしたら、もうね、もうね(つー;

大きな事件が起きるわけでも、感情と感情の激しいぶつかり合いが起きるわけでもない どこまでもゆったりとした物語ではありますが、そういう静かな中でこそ細やかな心情描写などが 光る面もあるのかなと。難しい話は抜きにしても可愛らしいモモさんの様子に癒されるのも ありかなーと。高原の風景描写も澄んだ空気感があっっていいですしね。

しかし、まさか1巻で終わるとは思ってなかったので本当に残念としか…。 もっとラブリーなモモさんのがんばりが見たかったのですよorz

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■関連情報
タイトル『ももそら (ジャンプコミックスデラックス)』
作者イトカツ
出版社集英社
発売日2011-11-04
区分一般
カテゴリ漫画
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ページ執筆者:東雲あずみ

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Shinonome Azumi(yuunagi@maid.ne.jp)
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ここは東雲さんの崩壊日記改から「かんそーぶん」を切り出したページです。。 18歳以上対象の作品を取り合うことが 多々ありますので、その旨ご理解の上お読みください。
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