『おジャ魔女どれみ16 (講談社ラノベ文庫)』:栗山緑/馬越嘉彦のかんそーぶん
@ 『おジャ魔女どれみ16』:栗山緑/馬越嘉彦(ISBN9784063752069)読了。 新創刊された講談社ラノベ文庫の第一弾ラインナップの1冊。 シリーズ構成&脚本を担当していた作者によるTVA「おジャ魔女どれみ」シリーズのその後を描いた作品。
「魔女見習い バージョンじゅーろく!」
高校入学を控えた春休み。 開かれた美空第一小学校6年1組、2組の同級会で、 久しぶりに揃って顔を合わせたどれみ、あいこ、はづきの元魔女見習いたち。 再会したクラスメート達は小学生の頃のままの子たちも居れば、 ちょっぴり心配な子たちも居たりして…。 そして二次会も終わっての帰り道。今もアメリカで生活中のももちゃんは兎も角、 半年前から音信不通状態のおんぷちゃんのことを話合いながら、懐かしい道を歩いていると 7年前と全く同じ場所に、役目を終えて消えたはずの「MAHO堂」が姿を現して…。 マジョリカ! ララ! これっていったいどういうこと? 別れた筈の魔女見習い達の道は再び交わり、新たな物語が始まる。
まずハッキリさせておけば、 これは正真正銘のアニメ「おジャ魔女どれみ」シリーズ直系の続編と言っていいと思います。 物語的な意味でも、作品の内容的な意味でも、かつてのまま、いやキャラクターたちが成長し 大人への分岐点の1つへ差し掛かったことも踏まえれば、より複雑化した人生の問題にぶつかっていく そんな姿がやさしい魔法と共に描かれている、そんな物語になっています。
かつてのアニメシリーズを熱心に見ていたファンにとっては 小学校卒業を機に、違う道へと進んだ5人(+2人)の魔女見習い達が再び集い、 懐かしいMAHO堂での日々が再び始まると聞いて、不安と期待を同時に抱くことと思いますが、 不安については杞憂ですと言い切っていいかなと。 「〜ドッカーン」のラストで魔法との決別を選んだどれみ達が再び魔法を手に取る理由なども しっかりと描かれていますし、彼女達の決意が蔑ろにされている感はありません。 また、メインキャラであるどれみ達は当然としても 懐かしい多くのクラスメート達も続々登場し、物語の種となってくれるという 文字通りにファン泣かせですしね。イメージ的なブレも無く ちょっと読み進めれば、かつての面々が頭の中で元気に動き始めてくれることと思います。
どれみちゃん達も16歳となり、当然身体的にも精神的にも成長を遂げていますが、 内面的な意味では、かつてと変わらないままに伸びた感じで、 読んでいてああ、どれみちゃん達だなぁとしみじみさせられました。 どれみちゃんはやっぱりステーキに目がありませんし、あいこちゃんは気っぷの良い関西娘ですし、 はづきちゃんはおっとり天然お嬢様ですしね。 おんぷちゃんの小悪魔っぷりや、隠れた努力家っぷりももちろんのことです。 もちろん、16歳ともなれば、恋や夢、そして問題も小学生の頃とはまたひと味違うリアリティを持って 彼女達に迫ってきます。幸せな出来事ばかりでもありません。 でもそんな色々に正面からぶつかっていく姿こそ、どれみの本分の1つであり、 むしろこうでなくてはと思う次第です。
巻数表記が無いのでてっきり単発かと思ってたのですが、2巻へ続いています。 まだまだ未消化の伏線などもありますので、期待して待ちたいかなと。 小説として見るとちょっともの凄いはしょり方がされたりとやや驚かされる面はありますが、 どれみちゃんの視点で描かれる物語はいや、本当に期待以上の内容でしたよ。 出来ればアニメとして見たいところですけれどね:D
では「ハッピーラッキー、みんなに届け!」
■関連情報 | |
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タイトル | 『おジャ魔女どれみ16 (講談社ラノベ文庫)』 |
作者 | 栗山緑/馬越嘉彦 |
出版社 | 講談社 |
発売日 | 2011-12-02 |
区分 | 一般 |
カテゴリ | ライトノベル |
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Shinonome Azumi(yuunagi@maid.ne.jp)