乱飛乱外(9)特装版 (プレミアムKC)』:田中ほさなのかんそーぶん

@ 『乱飛乱外(9)特装版』:田中ほさな(ISBN9784063621884)。月刊少年シリウス連載。 御家再興を目指す御落胤とくノ一達のドタバタなんちゃって時代劇最終巻。

拐かされたかがりを救うため、宿敵・冠木星眼の居城・異天城へと乗り込む雷蔵一行。迷いを振り切った雷蔵の前に、星眼の外法に操られた百花忍び軍は次々と討ち果たされていく…。そしてついに星眼と対峙する雷蔵だったが、その間に立ち塞がるのは………。

雷蔵方の迷いなどは前巻でほぼ収束しているので、従来のつっかえるような部分は無く疾走感のある密度の高い最終巻でした。今回面白かったのは星眼方の変化ですかね。外法によってきわめて強固な組織を築いていたはずの星眼方が、かがりという異物を迎えることによって瓦解していく様がなんとも笑えるというか泣ける感じで。 シリアスなところはシリアスに、笑えるところは今まで通りにコメディタッチと 従来のラインはきっちりと貫かれたかと。 あえて不満点を上げるならば、イマイチ正道の活躍の場が無かった如火さんと姫丸くんとか、もっと百花のくのいちさんたちの艶姿が見たかったとか、これまでの姫様ズももう一歩の活躍がほしかったとか…ですかね。 まあ、無い物ねだりという奴で。かがりと雷蔵の物語としてはこれで十二分満足です。

なお、特装版はカバー違いの他、カラーミニ画集「乱飛乱外 艶容恋忍絵巻」が付属します。これまでのカラーイラストから厳選されたものを中心に、トリビュートイラストとして、はっとりみつる先生、椿あす先生、椎名高志先生それぞれの乱飛乱外イラスト、そして告知忍者ミズチが収録となっています。描き下ろしはカバーイラストくらいかなと思いますが、ファンなら必見かなと。

女体ひしめく娯楽時代劇もこれにて終幕と、 6年に及ぶ連載、ともかくお疲れ様でしたの一言です。 既に次回作も動き始めているようなのでそちらにも期待です。

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■関連情報
タイトル『乱飛乱外(9)特装版 (プレミアムKC)』
作者田中ほさな
出版社講談社
発売日2011-05-09
区分一般
カテゴリ漫画
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ページ執筆者:東雲あずみ

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Shinonome Azumi(yuunagi@maid.ne.jp)
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ここは東雲さんの崩壊日記改から「かんそーぶん」を切り出したページです。。 18歳以上対象の作品を取り合うことが 多々ありますので、その旨ご理解の上お読みください。
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