『難民探偵』:西尾維新のかんそーぶん
@ 『難民探偵』:西尾維新(ISBN9784062159418)読了。講談社ノベルス新刊。 ネットカフェで発生した殺人事件の謎を追うのはネットカフェ難民の探偵と就職難民の助手?が直面する事件とは。ハードカバー本ですが、紙質は対して良くないので重量は軽いです。
就職活動に行き詰まり、進退窮まった就職浪人の窓居証子は、 祖母のツテを頼り、叔父で人気作家の窓居京樹の元に雑用係として転がり込む。 大金持ちで引きこもり気味の京樹との 人として駄目になりそうな生活にも慣れはじめたころ、 京樹の携帯に警察からの一本の電話が入る。 …それが証子と【難民探偵】と呼ばれる中年男・根深陽義との出会いだった。
コミック的な挿絵や表紙絵を廃した 一般向けなのかなーという位置づけの新作です。 キャラクターのエキセントリックさも抑えめで、 まあこれくらいなら実際居そうかなーという感じ (いや、実際居るかは知りませんが)ですかね。 ジャンルの位置づけ的にはミステリーやサスペンス系になるんだと思いますが 謎解きそのものよりは、登場キャラクターたちの掛け合いが主要素かなと思います。
主格となる証子さんは今時な、就職戦線にしがみつきつつも脱落気味という人で 就職でそれなりに紆余曲折あった身としてはなかなか身につまされる感じでした。 京樹叔父さんや、根深さんはある意味「困った大人」といいますか、 「大人になりきれない子供」と言いますか、 一皮むけば大人なんてこんなもんよという感もあったりでアレな感じ。 それでも締める所は締めてくれるのでいいのですけれど。
西尾作品はわりと出来不出来にバラツキがあるという印象なのですが 今作品に関しては中庸って感じですかね。悪いモノではないのですが 突き抜けたものは無いというか。 なんというか、ドラマ化すると楽しいんじゃないかなーとか。 シリーズ化はたやすい作りですが、はて続きは出ますやら。 (Permalink)
■関連情報 | |
タイトル | 『難民探偵』 |
作者 | 西尾維新 |
出版社 | 講談社 |
発売日 | 2009-12-11 |
区分 | 一般 |
カテゴリ | 小説 |
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Shinonome Azumi(yuunagi@maid.ne.jp)