零崎人識の人間関係 無桐伊織との関係 (講談社ノベルス)』:西尾維新のかんそーぶん

@ 『零崎人識の人間関係-無桐伊織との関係-』:西尾維新/竹(ISBN9784061826809)読了。 講談社ノベルス3月の新刊。「人間」シリーズ最終章4冊同時発売のうちの一冊。

【人類最強】哀川潤に破れ、不殺を誓わされてしまった殺人鬼兄妹…零崎人識と無桐伊織。 その誓いを反故にするため、入院中の哀川潤を襲撃するがあっさりと返り討ちにあってしまう。 観念する二人に哀川潤は自分の仕事を手伝うことを強要する。 向かうは殺し名七つがうちの一つ、【闇口衆】が拠点の一つ『大厄島』。 待ち構えるは【生涯無敗】<結晶皇帝>六何我樹丸。 【人類最強】VS【生涯無敗】の戦いに巻き込まれた殺人鬼二人+αの運命は…。

読み順が特に決まっていなかった今回の4冊、作中の時列にそう形で読み進めて来ましたが、 この巻のエピソードは戯言シリーズ本編終了数ヶ月後の時間軸です。 なんとも華やかな、エンターテイメント性の強い物語で大変楽しく読めました。 予想外のゲストやら人間関係やらも出てきてニヤニヤしっぱなしでしたよ。

この巻で描かれるのは、何組かの「きょうだい」の有り様、そして家族、一族の姿ですかね。 人識と伊織、崩子ちゃんと萌太くん、哀川さんと…etc。 様々な人間関係に触れ、自らを知り、保護すべき対象を得た人識が零崎の零崎たる由縁に触れる 惑い、さまよい続けた男の見たものは何だったのか。人識の物語としては良い〆になっているかと。

この巻の見所は…零崎兄妹のほほえましい兄妹関係っぷりですかね。 つかず離れず、でもベッタリ。零崎一族の業とされる「家族」を否定する人識が なんだかんだ言いながらも妹・伊織ちゃんのために奔走する姿は 文字通り不器用なお兄ちゃんって感じで良かったです。 伊織ちゃんの方も、兄ベッタリのようで、その実対等の存在でありたいと願いつつ でもやっぱり兄ベッタリと複雑な想いを抱えていて良いですな。 あとはやっぱり可愛い崩子ちゃんの頑張りとか、萌太くんとの関係とかも面白かったですし 毎度の無茶苦茶っぷりが今回も冴え渡る哀川さんも素敵でしたしetc.etc。 娯楽度という意味では4冊中一番高いでしょうね。

それにしても正直こんな綺麗にオチるとは思わなかったわ…。 まあ、これが戯言本筋が終わったあとの世界ってことなんですかね。 ほら、戯言シリーズでの再登場って同時に死亡フラグだったりするからさー。

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■関連情報
タイトル『零崎人識の人間関係 無桐伊織との関係 (講談社ノベルス)』
作者西尾維新
出版社講談社
発売日2010-03-25
区分一般
カテゴリライトノベル
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ページ執筆者:東雲あずみ

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Shinonome Azumi(yuunagi@maid.ne.jp)
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ここは東雲さんの崩壊日記改から「かんそーぶん」を切り出したページです。。 18歳以上対象の作品を取り合うことが 多々ありますので、その旨ご理解の上お読みください。
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