『ビブリア古書堂の事件手帖2-栞子さんと謎めく日常-(メディアワークス文庫)』:三上延のかんそーぶん
@ 『ビブリア古書堂の事件手帖2-栞子さんと謎めく日常-』:三上延(ISBN9784048708241)読了。 メディアワークス文庫2011年10月の新刊。古書が持つ物語…それは所有者達の人生の写し。
「うん。遠足に行く前日の小学生みたいだった。」 紆余曲折の末、退院したオーナーの栞子さんのもと、 北鎌倉にある古びた古書店<ビブリア古書堂>でふたたび働き始めた五浦大輔。 古書店の店員としてはまだまだ素人同然の大輔だったが、 それを指導する栞子さんの様子はなんだかとても楽しそうで…。 少しずつ近づいていくふたりの距離、 だが彼らはまだ本当の意味で、お互いの事をよく知っては居ないのだった。 そして<ビブリア古書堂>には今日も新たな古書が持ち込まれる。古書の持つ物語と共に。
さくさくと読み終わり。今回もとても楽しく読めた1冊でした。 連作短編形式なのは前巻同様。今回も各章には実在する書籍のタイトルの名前が付けられており その書を軸にして、関わった人間達の物語が紡がれていきます。 今回登場する実在書籍のうち2つについてはジャンル的に私も知っているものでしたが、 それぞれの章で語られる蘊蓄の部分は知らない話も多く、興味深いものでした。 前巻でもそうでしたが、その書籍の内容自体を知らなくても十分に楽しめるように配慮されており 書籍紹介としても機能してるのが、読書好き的にはとても良いなぁと思うところです。
今回はそれぞれのエピソードを通して、主役のふたりの過去を掘り下げた感じですかね。 ミステリアス…というか単に本以外のこと喋るの苦手なだけな気もしますが…な栞子さんが どんな子供であったのかや、彼女が抱えるしこりなど見えてきました。 大輔くんの方に関してもかつての彼女さんが登場するなどして、 恋愛方面もグッと盛り上がる感じですね。 まあ、まだまだ障害は大きいようですし、そう簡単には進まないよと釘を刺された感じですが:D 大人の恋愛に辿り着くには結構時間が必要そうですが、それも良し。 ふたりが繰り広げる中学生みたいな可愛らしいやり取りには終始ニヤニヤさせられましたしね。
それにしても栞子さんはあまりに無防備過ぎる。そして地味っ子巨乳アピールが堪りません。 大輔くんも結構ラッキースケベ技能発動していて、羨ましいことこの上なくはありますが、 別の意味でちょっと可哀想になってきますねぇ(苦笑
ミステリーとして見れば、今回は前巻ほどの縦軸大仕掛けは無いものの 何気ないエピソードが後から見るとかっちり嵌るように配置されていて、 そのパズルのピースがはまっていく感覚はなんとも言えず気持ちよいですね。 別に殺人なんて起きなくても、日常もまた謎に満ちあふれているんだなぁと。 決して幸せになれるエピソードばかりではありませんが、それもまた人生なんでしょうね。
今回はきっちりと続刊の告知もされており、まだ暫くはふたりと古書の物語が楽しめるようで 楽しみなこと頻りです。続刊はいつ頃になるかなー楽しみです。今回もオススメ。
■関連情報 | |
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タイトル | 『ビブリア古書堂の事件手帖2-栞子さんと謎めく日常-(メディアワークス文庫)』 |
作者 | 三上延 |
出版社 | アスキー・メディアワークス |
発売日 | 2011-10-25 |
区分 | 一般 |
カテゴリ | ライトノベル |
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栗山緑/馬越嘉彦

Shinonome Azumi(yuunagi@maid.ne.jp)