バカとテストと召喚獣(9.5) (ファミ通文庫)』:井上堅二/葉賀ユイのかんそーぶん

@ 『バカとテストと召喚獣9.5』:井上堅二/葉賀ユイ(ISBN9784047273320)。ファミ通文庫新刊。 愛すべきバカ野郎たちのドタバタ学園物語、シリーズ13冊目にして短編集第4弾。

  • 新式召喚の実験を…と再び学園長に呼び出されたFクラスの面々。前回の悲惨な体験から警戒しまくりの一同だったが、なだめすかされて渋々協力することに。それにしてもこの召喚獣なんだか人間の子供みたいだね?…『僕と子供と召喚獣』
  • 吉井家に姫路さんが居候し始めたある休日、姫路さんと二人きりで買い物に出かけることに。 あれ、これってデート…なわけないよなぁ…『僕と姫路さんとある日の昼下がり』
  • 今日も些細なことからいがみ合う明久と雄二。言い合いの果てにどちらがより平常心を持っているかを証明するため、ムッツリーニの自宅で対決することに。張り巡らされた罠の中、はたして二人は生き残れるのか…『僕と土屋家と揺れない心』
  • 文月学園の入学式当日、晴れやかな日にも関わらず雄二の心は荒れ模様。周りの全てが気に入らない…そんな中、雄二は一人のバカと出会う。その出会いは雄二の心に何をもたらすのか。F組バカカルテット誕生秘話…『俺と喧嘩と不思議なバカども』

今回もドタバタ、ラブコメ、ちょいえっち、バカ、シリアスとバラエティ豊かで 良い意味で短編集らしい手軽かつ愉快な内容でした。 ドタバタ具合では「僕と子供と召喚獣」。前短編集に収録されていた「僕とホンネと召喚獣」の続編的な位置にある作品ですが 今回もまた興味深い実験でしたな:D 姫路さんや美波さんの行動は予想しやすいものでしたが、 一部のメンバーに関しては予想よりも暴走してたり、予想外だったり。 どんどん人間辞めていってる美春さんがなんだか心配です。 妙にピュアな明久と雄二の行動がなんとも微笑ましくて良いモノでした。 高橋女史はさらっと読み手を萌え殺しに来るのが怖いですね。 召喚獣のイラストが無かったのだけが残念かなぁ。

シリアス中編は前短編集の「ウチと日本と知らない言葉」の別サイドエピソードにしてF組のバカカルテット誕生秘話が 雄二の視点で語られる物語でした。屈折して鬱積しまくってる抜き身のナイフ状態の雄二が明久やムッツリーニや秀吉と出会い それまでの自分とは違う自分になるという命題の解を得ると、どこまでも真っ直ぐな明久のバカっぷりはやっぱり光りますねぇ。 ラストの大アクションシーンも手に汗握る感じで良いモノでした。若い頃はこうがむしゃらに突っ込んでいくことも 必要なのだろうなぁとしみじみと。

今回のベスト挿絵は…姫路さんと美波さんのピン挿絵2枚ですね、ええ。どちらも可愛くていいです。 傷ついちゃってる美波たんを慰めたいね!!<……。あと須川くんのDVDの何とも言えないもの悲しさに泣いた。 彼も地味に愛されてるよなぁ…。

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■関連情報
タイトル『バカとテストと召喚獣(9.5) (ファミ通文庫)』
作者井上堅二/葉賀ユイ
出版社エンターブレイン
発売日2011-06-30
区分一般
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ページ執筆者:東雲あずみ

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ここは東雲さんの崩壊日記改から「かんそーぶん」を切り出したページです。。 18歳以上対象の作品を取り合うことが 多々ありますので、その旨ご理解の上お読みください。
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