『涼宮ハルヒの驚愕 初回限定版(64ページオールカラー特製小冊子付き) (角川スニーカー文庫)』:谷川流/いとうのいぢのかんそーぶん
@ 『涼宮ハルヒの驚愕 上下巻セット初回限定版』:谷川流/いとうのいぢ(ISBN9784044292102)。 角川スニーカー文庫新刊。限定版は上下巻セット+特別小冊子「涼宮ハルヒの秘話」が付属します。
- 集まったSOS団入団希望の新一年生に対するハルヒの入団試験が始まった。 ノリノリのハルヒが繰り出す難問に振り回される新一年生たちを眺めつつ、 平和な春の一時を過ごす俺たち既存メンバー。 果たしてハルヒのお眼鏡に叶う奴は居るのかね…<αルート>
- 病床に伏せる長門…その原因は天蓋領域と呼ばれる情報統合思念体とは別種の地球外知性の 端末・周防九曜にあるらしい。我慢出来ずに長門のマンションを飛び出した俺の前に立ち塞がったのは 問題の女・九曜とそしてもう二度と関わり合いにもなりたくないほど意外な人物たちだった…<βルート>
「なんにしても「驚愕」待ちでしょう。」と分裂の感想を締めくくったのが2007年の3月30日。 いやはや、まさかそれから4年も待つ羽目になるとは…。 まあ、突如刊行が途切れることは枚挙にいとまがないとはいえ、人気絶頂のタイミングででしたからねぇ。 なんにしろこうして続きが読めるのはたいへん嬉しいことですよ。ええ。
分裂の内容はさすがに記憶から薄れていましたが、読んでるうちにだいたい思い出したので問題なし。 SOS団に対する明確な外敵集団による接触と、SOS団攻守の要である長門の不在というかつてない大事件 勃発の<βルート>と、いつも以上に平和すぎるドタバタが続く<αルート>の混在は 正直言って読みづらいものでしたが、毎度のキョンのテンポの良い独白に頭が慣れ始めると あとはもうサクサクと。次第にそれぞれのルートの関連性が見え始めたのも助かりましたね。 巻によって面白さの度合いに変動が激しい本シリーズですが、今回のは待たされただけあったと 言えるだけの楽しさがあったと思います。
消失以来、当事者としての意識を強く持つに至ったキョンくんが 仲間意識と敵愾心を剥き出しにして、俺こそが主人公だ!!と決意の元に動きまくる後半は 彼の意識の変化とても好ましくてニヤニヤと読めました。 長門だけでなく、SOS団という場そのものが彼に取って無くてはならない場所になっていると そうきっぱり宣言してくれるのはやっぱり来ますよね。 あとはやっぱり佐々木さんとのやり取りかな。ハルヒに近い性質を持ちながらも より理知的で思慮深い彼女との親友関係は、わりと殺伐としがちな本筋において 一服の清涼剤的でした。キョンに対しての好意はダダ漏れなのに、一定の距離感を 保ち続ける会話はなんともくすぐったくてねえ。いやはや可愛いかったですよ。 珍しく存在感が主張された谷口や国木田もちょっと驚きというか それぞれにはそれぞれの物語があるということを強く感じさせてくれて愉快でしたね。
ほぼフルメンバーでの最終対決はそれぞれやたらに熱血モードで読み応えありました。 毎度おなじみの溜めて溜めてのラストのカタルシスは消失に匹敵するかと。 長門好きとしては、やや残念な面はありましたが、彼女は消失で優遇されてますしね、 小泉くんや朝比奈さんのターンだったと思えばと。
今回の〆はある意味シリーズがここで終了しても良い風に感じるものでしたが、 はたして続いていくのでしょうかね? 特に言及は無いのでどちらとも受け取れますが。 垣間見えたキョン君にとって至るべき未来の姿にたどり着くまで果たしてあと何冊かかるのやらと:D 続きが出るならば当然読みますし、ここで終わったとしても悪くない展開だったかなと思います。
それにしても屋上にたたずむ三人娘はビジュアルで見たいなぁ…。
■関連情報 | |
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タイトル | 『涼宮ハルヒの驚愕 初回限定版(64ページオールカラー特製小冊子付き) (角川スニーカー文庫)』 |
作者 | 谷川流/いとうのいぢ |
出版社 | 角川書店(角川グループパブリッシング) |
発売日 | 2011-05-25 |
区分 | 一般 |
カテゴリ | ライトノベル |
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Shinonome Azumi(yuunagi@maid.ne.jp)