『艦隊これくしょん -艦これ- いつか静かな海で(1) 収納ボックス付き特装版 「ドック開放」セット (MFコミックス アライブシリーズ)』:さいとー栄のかんそーぶん
@ 『艦隊これくしょん-艦これ-いつか静かな海で(1) 限定版』:さいとー栄(ISBN9784040662916)。 コミックアライブ連載。DMMで展開中のブラウザゲーム「艦隊これくしょん」の公式コミカライズの1巻目。 なお、限定版は、造船工廠を模した組み立て式の単行本収納ボックス&カラーイラストブック付きです。 収納ボックスは組み立てるのけっこう大変でした…。
- 戦うための艦としてその生涯を全うし、そして【艦娘】として生まれ変わって尚、 人類に仇なす【深海棲艦】と激しい戦いを繰り広げる少女たち。 過去の辛い記憶を引きずりながらも、新たな生の中で彼女たちが見いだすものとは。 少女たちは願う…「いつか静かな海で…」
複数展開中の艦隊これくしょんの公式コミカライズのコミックアライブ版。 特に本作は艦隊これくしょんゲーム本編のプロデューサーである田中謙介氏が 原作を書き下ろしたものとなります。 作画担当のさいとー栄先生は青年系の活動から、近年はラノベ原作のコミカライズなどを 多く手がけていらっしゃいますね。すらっとした細身で等身高めの女性キャラが魅力であり、 今回のコミカライズともベストマッチだと思います。
本作の特徴は毎回(前後編もありますが)、特定の艦娘に焦点を当てた連作短編であることですかね。 もう一つの縛りは同じ名前を冠した艦艇が、現在の現実に存在していることです。 激しい戦いと、鎮守府での騒がしくも楽しく優しい時間の中で、ふと艦娘たちがみせる 物憂げな表情、彼女たちの中に宿る複雑な想いがどこから来て、そしてどこへ行くのか。 艦これが持つ、ひとつの芯の部分がしっかりと描き出されており、どのエピソードも読み応えがあります。 そう書くと暗い感じがしてしまうと思いますが、楽しい部分は徹底的に楽しく、 そして戦闘シーンはド迫力でと、緩急しっかりついてますので、まあまず読んでみてほしいですね:D
第一巻で取り上げられるのは 航空戦艦・日向、駆逐艦・響、戦艦・金剛、正規空母・蒼龍の四人。 むろん他の艦娘さんたちも多数登場しますのでご安心を。
気に入ってるのは暁型 駆逐艦娘の響さんのお話かな。 戦後まで生き残り、ロシアでその生涯を閉じた駆逐艦・響の魂と記憶を受け継ぐが故に、 仲良しの姉妹たち…、暁、雷、電の何気ない一言に大きく動揺したり、 彼女たちの末路を知るが故の必死の戦いなど、寡黙で冷静に見える彼女の 秘められた魅力が存分に発揮されていてよかったかと。
あと本作の隠れた見所は妖精さんたちの活躍っぷりでしょうか。 艦娘さんたちの艤装の上でちょこまかとお仕事に励む姿は癒やされましたし、 彼女たちがどのように動く存在なのかのイメージがわかりやすくてよいものでした。
内容的に物憂げな表情が多めですが、 公式からこういうのが真っ先に出てくるのは個人的には嬉しいかなと。 兵器として生まれた戦いの運命の先に、平和と平穏が待つことを祈る。 相手を屠るためではなく、守るべきものを守るために。 …そんな願いが込められた内容だったかなと思います。
まあ、難癖つけようと思えばいくらでもつけられる内容ではあると思うのですが、 素直かつストレートに受け取れば、なかなか涙腺に来る内容かと思います。オススメの一冊です。
なお、先日オープンしたKADOKAWA系の無料Webコミックサイト「コミックウォーカー」で 本作の第一話および最新話を読めますので、参考までにどうぞ。
■関連情報 | |
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タイトル | 『艦隊これくしょん -艦これ- いつか静かな海で(1) 収納ボックス付き特装版 「ドック開放」セット (MFコミックス アライブシリーズ)』 |
作者 | さいとー栄 |
出版社 | KADOKAWA/メディアファクトリー |
発売日 | 2014-03-22 |
区分 | 一般 |
カテゴリ | 漫画 |
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Shinonome Azumi(yuunagi@maid.ne.jp)