『刃の王 (朝日ノベルズ)』:神野オキナのかんそーぶん
@ 『刃の王-堕刻使いの旅立ち-』:神野オキナ/田沼雄一郎(ISBN9784022739247)。 朝日ノベルズ新刊。新書サイズ。 「常に最善の選択はないと知れ。最善がなければ事前の選択をせよ」。
【堕刻】…神の実在する異世界にて邪神によりもたらされたと言われる邪悪な鉄片。 所有者に強大な力を授けるが、同時に欲望と悪心を刺激し、 その魔力の前にはいかなる聖人とて悪徳の使徒に身を堕とすという。 そして異世界で封印されていたはずの「堕刻」は今、現代世界に在った。 奪われた「堕刻」を取り戻すため異世界からやってきた ダークエルフの魔法戦士・リムマーヤと、 彼女の一族を滅ぼし「堕刻」を奪い取った我々の世界の「組織」との 激突により新宿は壊滅する。 そんな争乱の中、 図らずも堕刻を手に入れてしまった幼なじみの三人組 -二人の少年と一人の少女- が否応なく迫られる「選択」…それはあまりにも過酷なモノだった。
毎度お馴染み神野オキナ作品ですが、今回は人死にアリアリのシリアス方向。 ただ、主人公たちが中学生ということもあってか、 「奪還者」のようなエロ方面の展開はごくごく薄め。 かなり力を入れて「ごく普通の中学生」としての主人公たちの生活が描かれて行きますが その分、平行して走る「非日常」に「日常」がどんどん食いつぶされていく様が シビアさを強調してなんとも言えない気分にさせられます。 特にヒロインの一人である弓美里さんの変容っぷりがじわじわと描写されるあたりは 読んでて目を覆いたくなるほどでした。 主人公くんたち3人組はわりとライト方向の神野オキナ作品のキャラなのに 彼らに突きつけられる現実はシリアス方向のモノばかりという精神的キツさが 分かって貰えれば…(^^;;;
ただし、タイトルに「旅立ち」とある通り、ぶっちゃけ一冊まるまる物語のプロローグです。 ここから壮大な物語が始まる!!ってな感じなので、お話としては成立してるものの、 どうしてもモヤモヤ感は残るところです。 続刊の予定があるのかは分かりませんが、出来れば読みたいところですが…。
余談:例の暗い部屋シーンで「エロキタ」と思った人は手を挙げましょう:D
■関連情報 | |
タイトル | 『刃の王 (朝日ノベルズ)』 |
作者 | 神野オキナ |
出版社 | 朝日新聞出版 |
発売日 | 2009-10-20 |
区分 | 一般 |
カテゴリ | ライトノベル |
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Shinonome Azumi(yuunagi@maid.ne.jp)