『エロマンガ・スタディーズ―「快楽装置」としての漫画入門』:永山薫のかんそーぶん
@ 『エロマンガ・スタディーズ-「快楽装置」としての漫画入門-』: 永山薫(ISBN4872577329)読了。これは良著。 エロ漫画の世界を知らない漫画読みに向けた、 その生い立ち、漫画というカテゴリの中での立ち位置を、 歴史の流れを追いつつ大局的に そして現在の、 多層細分化された属性の要点を押さえつつ それぞれの読み解き方の指針を示しています。 私のそう多くは無い経験や記憶とつき合わせても違和感の少ない 「判ってる」方が書いてる感が非常に好印象です。 チョイスについてはちょっと渋めな部分もある気がしますが これはどうしても個人の嗜好の影を払拭しきれはしませんから、しょうがありません。
私は思春期に差し掛かり、自分の「おたく性」に自覚的になったあたりで 宮崎事件に直撃され、主に入手性や隠蔽効率から、自分のエロ的な部分の 出口をコンプティークやテクノポリスなどのエロゲー雑誌で補完してきた人です*1。 なもんで現状のようなエロ漫画への大きな傾倒は 親元を離れた以降のこの10年程度なのですが、 遊人事件の影響などは当然の如く体験し、記憶していますし ペンギンクラブやCOMICパピポなどで浅くですが接触を保ってきましたから 当時の記憶と照らし合わせる形で懐かしさを覚えました。
漠然と感じていた部分を言語化してくれていたり、 新しい視点を提供してくれていたりと得るものが多かった一冊です。 エロ漫画とつきあっていこうという思いがある方は是非ご一読を。 (Permalink)
■関連情報 | |
タイトル | 『エロマンガ・スタディーズ―「快楽装置」としての漫画入門』 |
作者 | 永山薫 |
出版社 | イーストプレス |
発売日 | 2006-11 |
区分 | 一般 |
カテゴリ | 書籍 |
Amazon アフィリエイト |
Amazonで購入 |
ページ執筆者:東雲あずみ
Shinonome Azumi(yuunagi@maid.ne.jp)