天使の3P! (電撃文庫 あ 28-11)』:蒼山サグ/てぃんくるのかんそーぶん

@ 『天使の3P!』:蒼山サグ/てぃんくる(ISBN9784048866279)読了。 電撃文庫新刊。不登校のボカロPが出会ったのは3人のJS天使でした。 「ロウきゅーぶ!」コンビの贈るロリポップ・コメディ開幕。 「そうですおまわりさん、彼がサグです」(時雨沢恵一オビ文より)

  • かつて受けたトラウマから長年不登校で引きこもり気味の高校一年生・貫井響。 そんな彼の楽しみは作詞作曲した曲をボーカルソフトに歌わせてネットの動画サイトで 公開することだった。そんなある日、彼の元へと届いた一通のメールが、その運命を大 きく変える切っ掛けとなる。「直接会ってみたい」…馬鹿丁寧に綴られたメールに書か れたその一文と、「とある内容」に強く興味を惹かれた響は、 おっかなびっくりと指定された場所へと赴くが そこに現れたのはまだ年端もいかない3人の小学生少女達… メールの差出人であり泣き虫で引っ込み思案な五島潤(小5)、 強気そうな雰囲気のちょっとキツめな紅葉谷希美(小5)、 いつも眠たそうなマイペースの不思議っ子な金城そら(小5) だった。 彼女達は言う、響の曲で、3人のバンドで、ライブがしたいのだと。 こうして引きこもり少年と、少女達の物語は幕を挙げる。

ということで私にとっては初めての蒼山サグ作品。TVA「ロウきゅーぶ!」は全編楽しく 見させて戴きましたので興味はあったものの、巻数的に手を出すのが辛かったため 新作に挑戦という感じですね。それでも迷いはあったものの、時雨沢先生のオビ文が熱 すぎてそのままレジに持ち込みましたさ。

感想だけ先に言ってしまうと大変面白く読めました。どこまでも前向きな物語、 社会との軋轢の中で傷ついた…もしくは傷つくのを恐れるあまりに殻に閉じこもった少 年少女が、外へ向けて確かな一歩を踏み出すというジュブナイル的に分かりやすく また現代性もあって共感の得られやすい物語をしっかりと描いている印象ですね。 ほんの少しの勇気、変わろうとする想いこそが大事なのだと素直に思わせてくれる 良いエピソードだったと思います。

なのになんでこんな犯罪臭がするんだろう…(遠い目

物語はとある理由から自分たちのバンドでライブがしたいという3人娘を 引きこもりの主人公がサポートしていくというもの。 お話の構造だけ切り出すとロウきゅーぶ!と被る部分は多いです。 外的要因で否応なく大切な何かを奪われた少年主人公。 そんな彼を頼ってやって来る小学生の少女たち。 彼女達との関わり合いの中で、少女たちは自分たちの想いを守り抜くし、 少年もまたそんな彼女達の姿に勇気づけられて新たな一歩を踏み出す。 そう、基本的に良い話で、悪人も出てこないので清々しく読める物語です。 ええ実際そうなんです。

そして当然のように盛り込まれたJSネタが節々から犯罪臭を醸して危険物化しているの もまたロウきゅーぶ!同様ですかね(苦笑 多めの入浴シーンもばっちり挿絵完備、コスプレシーンもパンツ挿絵完備と 見事なラッキースケベを繰り出すヒッキー主人公にナチュラルに殺意を覚える感もあり ますな:D 特に今回の響くんとロウきゅーぶ!の昴君と最大の差は小5の妹が居るとい う点ですね。すなわち合法的に小5とお風呂に入れるのだよ!! それも妹のくるみちゃんは素直ではないものの、大変お兄ちゃんっ子であり 引きこもりのお兄ちゃんを心配しての数々の心遣いが大変可愛らしくて素敵なのです よ。 これは昴くん勝ち目無いね(何のだよ

メインとなる3ヒロインもそれぞれにクセはあるものの大変可愛いですね。 性は違えど姉妹同然の3人の仲むつまじい様子は見てて和むこと請け合います。 どの子も可愛いですが、いぢめて楽しいのは多分希美ちゃんだと思います(何 あ、桜花さんも好きですよ。カワイイデスヨ。

ということでスポーツ物の次は音楽物とまた難易度の高い題材を選んだ感じですが 楽しく読めた一品でした。続刊は作れる作りですが、お話としてはとりあえずオチが付 いているので続刊は人気次第ってところですかね。 そうなるとロウきゅーぶ!との切り分けが難しい気もしますが。 ライブものはアニメが映えるのは数々の先行事例で証明済みなわけで、その辺見たい なぁと思いつつ、続刊に期待したいところです。

余談:途中で吹いた神のみファンは手を上げようω・)ノ

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■関連情報
タイトル『天使の3P! (電撃文庫 あ 28-11)』
作者蒼山サグ/てぃんくる
出版社アスキー・メディアワークス
発売日2012-06-08
区分一般
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ページ執筆者:東雲あずみ

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ここは東雲さんの崩壊日記改から「かんそーぶん」を切り出したページです。。 18歳以上対象の作品を取り合うことが 多々ありますので、その旨ご理解の上お読みください。
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