「レモン・クラッシュ」…
レモン色の光の粒子が空を覆うような、そんな光景を見ながら
「プーム・プーム」と唱えればそれは願いを叶えてくれる。
ただし、それは心の底からの願いでなくてはならず、
無意識であってもそれが心の底からの願いであれば、それが叶ってしまうのだという。
クラスメートの気になる少女・中条深月が呟いたその言葉が、
的場百太の心に強いわだかまりを生む。
深月の姿を求めて、「レモン・クラッシュ」が起きると噂される公園を訪れた
百太とその友人・弓原千春と矢嶋万騎は奇妙な事件に遭遇する。
一方、中条深月は中学時代の親友であるふたりの少女・宮下藤花と歌上雪乃に
「レモン・クラッシュ」についての相談事を持ち込んでいた。
3人の少年と3人の少女、6人の物語はどのような結末を迎えるのか。
「まるでブギーポップみたいな顔してるわね」
「そういう君はプーム・プームみたいだよ」
なんか久しぶりに藤花さんの出番多かったなぁ。一応ちゃんと本筋に絡んでるし。 それに釣られてかブギーポップもやや出番多めかな。嬉しいねぇ。 お話の構造自体はシンプルですが、展開は二転三転して予断を許さずという感じで 読み進めるのが楽しく、結果としてさっくりと読める一冊でした。
特に面白かったのは最終章でのブギーポップと彼女とのやりとりかなぁ。 毎度のように「自動的」なブギーポップに投げかけられる 「同類」からの言葉というのは長いシリーズの中でもレア度高めでしょう、たぶん。 あとは「強い子」発言あたりかな。 藤花さんとブギーポップの人格境界に思いをはせつつニヤリとさせられました。
目的に囚われるあまりに同じ穴の狢になってしまう…ありがちなれど だからこそ気をつけていかないといかんのかもですなぁ。補助線重要。 著者: ブギーポップ 上遠野