のうりん2 (GA文庫)』:白鳥士郎/切符のかんそーぶん

@ 『のうりん2』:白鳥士郎/切符(ISBN9784797368116)。GA文庫新刊。 とある農業高校で繰り広げられる一癖も二癖もある連中のお下劣パロディ満載の 農業青春グラフティ2巻目。

突如転校してきた憧れのアイドル「草壁ゆか」こと木下林檎の事情を知った耕作たちは 農業を通して、アイドル生活に疲れ切った彼女の心を僅かながらに癒すことに成功する。 全快にはほど遠いまでも、それは確実な成果とも言えるものであった。 だが、何故彼女が耕作達が通う農業高校にわざわざ転校してきたのかは 耕作にとって未だに謎のままであった。 そして6月も半ばを過ぎた頃、林檎に新たな課題「種蒔き」が与えられる。 自らの手で蒔いた種を育てていく喜びに、またたくまに取り付かれる林檎を 暖かく見守る耕作たちだったが、そんな平穏をかき乱すかのように 田茂農林高校最凶の刺客「四天農」が蠢き始める。 迫り来る特濃変態軍団の魔手に耕作はどう抗うのか。とりあえず色々ピンチでもう大変!!

「こんなの絶対おかしいよ。」

この巻でシリーズ終わってたら本気で伝説になってたんじゃないかと思わざるをえません。 ということで好調のパロディ満載しもネタ満載の農業コメディ待望の2巻目となります。 今回も1巻目に負けず劣らず、圧倒的なまでに古今東西のパロディネタが詰め込まれており なかなかに楽しい仕上がりになってると思います。 正直第一章はその勢いにふり落とされかけましたが…。

特に、今回はいわゆる少年ジャンプ黄金期の有名漫画パロディがかなり多めで… というか一章まるまるパロディ気味に展開するとかいう無茶までやってるのが 凄いというかあきれるというか…。 私あたりだとほぼ直撃の世代なので腹抱えて笑う感じなのですが 若い方にはどうだったんですかね、今回のネタって。定番だから押さえてる人も多そうですが。 本文の無茶ぶりにキッチリ答えてくる切符先生による挿絵との連携はさらに強化。 実にほぼ全ての挿絵がネタというある意味酷い状態。 そりゃもうちょっと仕事選べとか言われるわ(苦笑

新キャラの「四天農」の皆さんは…どいつもこいつも濃い連中ばっかりで扱いに困るというか 変態だけれど、基本良い奴らなのが性質悪いですね、まったく。 特に「五人の四天農」の一角にも数えられるという、前巻から登場中のボイン良田さんは 全般的に良い味だしてたなぁと。特にアヒル農法編で見せてくれた熱心な姿は 微笑ましいばかりでした。あとは…バイオ鈴木とマネー金上が美味しいかなと。 萌え商品シリーズの極北を見たぞ、正直。

メインヒロイン陣は…どうしてこう…いやいや、林檎さんは前巻よりもだいぶ打ち解けた感じに なっていて可愛い面がたくさん出てきて良いなぁと。ひよこさんにノックアウトされてる様は 大変素敵でありました。 農さんは…………いやラストで反転せんで良かったなぁと(汗 されてたら立ち直れんわ。

延々とアホなことばかりやりつつも、しっかり農業ウンチクや感動的な展開を織り込んでいるという 本作の良い部分については今回も健在。こう楽しみながら豆知識的にあたらしい知識を得られるのって やっぱり読書の醍醐味だと思うので、高く評価したいんですよねー。 あとは林檎さんの種蒔き関係のエピソードはグッと心に突き刺さる実に良いお話でした。 まあ、本当に最後で全部台無しというか「どうしてこうなった」って感じでしたけれど(苦笑 冒頭の手紙の違和感がちゃんと仕事してたことで完全にやられましたわ。

パロディ自体は好きなんですが、それだけで話を延々と回されると正直困ってしまう面はあるため 今回の第一章部分については個人的にマイナスな受け取り方をしています。 いや笑ったのは事実なんですがあんまりそれだけで駆動されすぎるとね…。 第一巻でも大きく評価したのは農業という縦軸部分の立て付けがしっかりしていたからでもありますしね。 1章以降に関してはそのあたりがちゃんと織り込まれてたのでひと安心といった感じでした。 真面目に第一章みたいな状態であと数章埋まってたらそのまま窓から投げ捨てるところでした。 まあ、杞憂で済んでホッとしたつーのが正直なところです。

次巻は変態秀才眼鏡くんの継くんにスポットが当たる感じなのかな? 流石に今回は耕作くんが色々可哀想過ぎたのでそちらへのフォローも期待したいと思います。いや本当。

ネタ元。適当に分かったもののみとりあえず。 ☆矢、幽遊白書、夢枕獏の陰陽師、薔薇乙女、北斗の拳、アカギ、ジョジョ、夜王、 カイジ、男塾etc。その他ネットスラング系多数。多すぎて書いてられないつーの(苦笑

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■関連情報
タイトル『のうりん2 (GA文庫)』
作者白鳥士郎/切符
出版社ソフトバンククリエイティブ
発売日2011-11-16
区分一般
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ページ執筆者:東雲あずみ

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ここは東雲さんの崩壊日記改から「かんそーぶん」を切り出したページです。。 18歳以上対象の作品を取り合うことが 多々ありますので、その旨ご理解の上お読みください。
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